ユーザーの操作は不要!「ゼロクリックRCE」の脅威と対策

ウェブサイトやアプリのセキュリティを考える際、ハッキングは「怪しいリンクをクリックする」「不審なファイルを開封する」といったユーザーの行動がきっかけとなることが多いと思われがちです。

しかし、近年「ゼロクリックRCE」と呼ばれる、ユーザーが何も操作しなくても自動で感染が成立してしまう、極めて高度なサイバー攻撃が増加しています。

今回は、このゼロクリックRCEの脅威と、私たちにできる基本的な対策について解説します。

ゼロクリックRCEとは?その脅威の特徴

ゼロクリックRCE(Remote Code Execution)とは、ユーザーのクリックやファイルの開封といった操作なしに、遠隔で悪意のあるコードが実行されてしまう攻撃です。

この攻撃が特に危険とされる理由は、以下の3つの特徴にあります。

ユーザー操作が不要 画像やメッセージの受信だけで、自動的に悪意のあるコードが実行され、端末が侵害される可能性があります。ユーザーがどんなに注意深く行動しても、感染を防ぐことが困難な場合があります。

未知の脆弱性を狙う 多くの場合、OSやアプリの「ゼロデイ脆弱性」(まだ修正されていないセキュリティホール)を狙い撃ちします。そのため、ウイルス対策ソフトやファイアウォールといった従来のセキュリティ対策でも防御が難しいケースがあります。

高度な攻撃に利用される 著名人や重要組織など、特定の個人や団体を狙う標的型攻撃で使われることが多く、iOS、Windows、各種アプリが標的になっています。

表的な事例

ゼロクリックRCEは、実際に多くのセキュリティインシデントで利用されています。

例えば、Apple製品のDNG画像に存在する脆弱性(CVE-2025-43300)では、悪意のある画像を送信するだけで、受信側の端末が密かに乗っ取られる事例が確認されています。

また、WindowsのTCP/IPにも、細工したパケットを送るだけでユーザーの操作なしに侵害が可能となる脆弱性が報告されています。

いますぐできる対策

ゼロクリックRCEは、非常に高度な攻撃手法ですが、基本的な対策を徹底することでリスクを大幅に下げることができます。

  • OSやアプリの最新アップデートを適用する ゼロデイ脆弱性への対策は、パッチが公開され次第、すぐにアップデートを適用することが最も重要です。
  • 公式アプリのみを利用する 提供元が不明なアプリは、予期せぬ脆弱性やマルウェアが仕込まれている可能性があるため、必ず公式のアプリストアからダウンロードしましょう。
  • 不審な端末改造(JailBreak等)を回避する スマートフォンの改造は、OSのセキュリティ機能を無効化するため、悪意のある攻撃に対する防御壁がなくなってしまいます。

まとめ

ゼロクリックRCEは、現代のサイバー攻撃の中でも特に危険性が高く、操作を一切しなくても遠隔から端末を支配され得る攻撃手法です。

ウェブサイトやアプリのセキュリティを考える私たちにとって、その脅威を正しく理解し、基本的な対策を徹底することは不可欠です。

ビズラボでは、ウェブサイトの運用やセキュリティ対策に関するご相談も承っております。お困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

参照元

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください